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もう一度読みたい【エッセイ・自分たち探し】
 フリージャーナリスト 國米 家己三さんのシリーズエッセイ



世界に向かって「太陽革命」の旗をあげよう

 今年はマンガの大御所、手塚治虫さんが亡くなって満20年ですが、たしか亡くなった翌年だったと記憶します。まだ新聞記者の現役だった私が、東久留米の稲葉三千男市長(当時)に、
 「おカネをかけず、手塚さんを中心にしたマンガ博物館をつくり、マンガ都市宣言をしてはどうですか」 と提案したことがあります。以前の、古い庁舎の広報課でたまたま市長にお会いしたときでした。
その提案の根拠は、まず手塚さんが長年、東久留米の住民だったこと。市内に手塚さんを慕って全国から若いマンガ家の卵が多数集まっており、市として彼らに「頑張れ」のエールを贈ること。マンガ文化を軸にいろいろなイベント企画が可能で、全国に「東久留米、ここにあり」とアピール、町おこしにつなげられること、などです。
市のリーダーとして文化都市を旗をふってもらいたかったのですが、残念ながら当時の稲葉さんは市長初当選の直後で課題が山積し、マンガ博物館どころではなかったようです。
そのご手塚さんの出生地、宝塚市に手塚記念館ができ、数年前には新宿区が高田馬場生まれという鉄腕アトムを「未来特使」に任命。現在、虫プロダクションがある隣の新座市がアトムの住民登録をしています。
そこで、こんどは麻生太郎首相に大提案です。現在、世界は産業革命に匹敵する太陽革命の時代を迎えました。環境汚染や温暖化の問題からエネルギー利用は石油、石炭など化石燃料から自然エネルギーへの転換は避けられません。なかでも主役となるのは太陽光、太陽熱の活用です。従来、国際社会で日本はことに当たって言挙げせずという姿勢を貫いてきましたが、この際、わが国こそ太陽革命の旗手、この戦いの最先頭に立つと世界に向かって宣言していただきたい。それによって現在の世界不況のなかの深刻な閉塞感を打ち破り、同時にこの国の往くべき道を明示して求心力を高め、人々の士気を鼓舞していただきたい。
現場の技術者たちは、いま、それぞれ内に秘めた覚悟を持って不眠不休の開発努力をつづけています。首相が陣頭に立って旗を振ってくれたら、彼らはどんなに勇気づけられ励まされ、能力以上のものを発揮してくれることか。
具体的な目標としては、今後数十年以内に"食べない車"を実現すること。ガソリンを食べない、外からの電気も食べない、車体に貼った太陽電池と車内搭載の蓄電池だけでエネルギーを自給、どこまでも走りつづける究極のソーラーカーを生みだすのです。
電気自動車ではすでに慶大の研究班が加速性能でも最高時速でも独ポルシェの最高性能車に匹敵する8輪の「エリカ」を開発ずみ。またソーラーカーの走行実験では東京電機大のグループが14年前に北米大陸往復1万1千キロ走破に成功。このときは走行エネルギーの10%を太陽電池で賄いましたが、いま光電変換効率20%から30%台に向上しています。これを50%、60%、果ては100%にもっていく。一方の蓄電池の容量拡大でも成果が出ています。車の多くは、走っているより駐車している時間が長い。駐車中も休まず太陽の恵みを発電、蓄電につなげ、車自体が発電所となって住宅への電力供給も可能にします。
"食べない車"ができるなら、"食べない電車""食べない船"も夢ではない。航空機ですら太陽電池で飛ぶ時代が到来するはず。
洋服やテントに塗るだけで太陽光発電ができる技術も生まれているので、後発国のどんな山奥でも電力が得られる時代がきています。
日本が世界に貢献するには、太陽革命の推進こそ、もっとも近道といえるでしょう。