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TAMA団塊100

有償援農ボランティア

特定非営利活動法人『たがやす』 事務局長 斉藤恵美子さん(52歳)

 後継者難や人手不足に悩む農家をサポートする援農。公的援農の場合はほとんどが無償であり、東京都が推進しているのも無償援農だ。しかし斎藤さんは「ボランティアとはいえ、交通費も出ないのは無理だ」と考えた。お隣の相模原で市と農協の「有償援農制度」があるのを見て、「有償」と決心。設立のきっかけは、生活クラブ生協の発想だった。「町田の農家とのつながりがあるので、スカウトされた」と斎藤さん。生協の提携生産者が加わって発足。農家とは何よりも信頼関係が大切で、今では提携生産者以外の農家も参加している。

 市民の手で始めた唯一の有償ボランティアであることから、マスコミも注目。最初は新聞社系情報紙に出た。でもその情報紙は当時「町田市が範囲外」 だったため、問合せはほとんど市外の人。まして交通不便なところにある農家へ、朝から来られる人でなければ出来ない。援農に参加する人は「環境を守る、緑をまもるなど、環境問題を考えている人」が中心で、有償といっても小額なのでお金目的の人では続かない。「農業をやりたい人たちには、自宅近くの農家・畑を手伝うのがいいですよ」と斉藤さんはアドバイスする。そのためにも、市民と農家をネットする『たがやす』が東京中にできるといいと思う。『たがやす』のメンバーが八王子にも『たがやす』と同じような組織を作った。

『たがやす』では農家から1時間の援農に対して540円いただき、ボランティアには460円支払っているが、事務局は赤字だ。現場では、農家の人たちの言葉が荒いと「団塊世代」はついていけない。たとえ小額でも払うと、農家の要求は厳しくなる。でも『たがやす』の援農者はボランティア意識が強いので、ギャップが生まれる。それには研修が必要だと感じ、町田市から委託を受けた「研修農園」で、農業体験をしてもらっている。その農園で「生ごみの堆肥」も実験的に作って使っている。

 援農を必要とする農家と農業体験を希望する市民とをつなぎ、地場野菜普及活動、生ゴミリサイクル活動などにも取り組んでいる『たがやす』では農業研修生を募集中。団塊の人たちウエルカムである。

●特定非営利活動法人たがやす
TEL & FAX:042-727-1202 
携帯:090-3435-8611
http://homepage3.nifty.com/npo- tagayasu/

(文・週刊きちじょうじ)