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TAMA団塊100

定年後も得意の「営業」でネットワークを広げる

TAMA市民塾理事、日本ウォーキング協会主任指導員、シューフィッター 手島正夫さん(60歳)

靴メーカーの営業をしていたサラリーマン時代、東大和市にある手島さんの自宅は、"専属契約のビジネスホテル"だったと笑う。平日は寝に帰るだけ、週末の別名は"ねてようび"。地元を気にかける機会も余裕もなかった。そして、定年少し前に退職してしまった。

地元のネットワークづくりには時間がかかると覚悟していた。ならばコツコツと行動しよう!最初は自分の持っている資格を並べ、かかわれそうなボランティア活動を紹介してほしいと市長に手紙を書いたという。社会福祉協議会も訪れた。やはりすぐにはよい感触を得られなかった。

あるとき和凧を出展した公民館の催しもので、同時に開催予定のホールの出し物に突然空きが出た。手島さんは「失敗しない靴選び」について話しましょうと買って出た。以来その豊富な知識が目にとまり、声がかかるようになった。公民館とのつながりができ、そこでみた「多摩のかけはし」がきっかけで、TAMA市民塾の和凧の講師としてのデビューも飾った。和凧は娘さんの小学校の卒業式に、手描きの凧を校長先生が贈られたのをみて魅了された。図書館で関連の本を片っ端から借りて、和凧づくりの技術を磨いてきた。これまでつくった凧の数はゆうに百を越えるという。

一方、ウォーキングにかかわる活動は実に多彩だ。靴選びの専門家である"シューフィッター"としての活動と、実際に自分に合った靴をはいてのウォーキングの指導。後者は日本ウォーキング協会のウォーキング主任指導員の資格を持つ。さらに「観・感・歓歩ウォーク会(愛称カンカンウォーク)」というサークルを主宰し、2つの専門知識を生かしながら仲間を増やし、地域の資源の掘り起こしにも貢献する。

今は東大和のみならず、多摩地域、そして東京全域へと活動範囲は拡大している。現役の時以上に多忙な毎日という。とはいえ、「楽しくなければ続かない」と明言する姿にはどこか余裕がある。自分がこれまで培ってきた強みを積極的にアピールしながら、地域でできることを探し、棚の上に牡丹餅を見つけたら、迷わず棚を揺するという。手島さんの行動には第二の人生デザインへのヒントがたくさん詰まっている。

(文:みたかのみかた)