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TAMA団塊100

350日の「シニア特急・一人旅」で自分と向き合う

ジャーナリスト・作家 森 哲志さん(65歳・稲城市在住)

 定年を期にバックパックを背負って350日をかけて韓国からイラクまで25カ国を一人旅。 その行程を著書「団塊諸君 一人旅はいいぞ」(朝日新聞社刊)という1冊の本にまとめたのが森哲志さんだ 。森さんは、成田空港三里塚闘争、豊田商事事件、日航ジャンボ機墜落事故など社会を震撼させた数々の事 件を最前線で取材してきた元朝日新聞の社会部記者。また、在職中から引退したプロ野球選手のその後を描 いた「不屈のプレーボール」(河出書房)、6人の定年物語を綴った「我らかく生き、その時を迎えり」 (ポプラ社)など共著を含めると10冊の著書を出す作家でもある。

 一人旅への憧れは若い頃からあったが学生時代は行けなかった。その後も事件と取材に追われて行けずじまい。 激動する世界、戦乱の地を一度でも見てみたい、想いを馳せる日々が続いた。そこで家族に思いを告げ、退職 金から150万円の資金を確保。"西に行く"以外に決まったコースのない旅に出た。移動は鉄道かバス。泊まる のは1泊2000円程度のゲストハウス。果たして、そこには現地の市井の人々との出会い、ゲストハウスを利用 する世界のバックパッカーや日本の若い旅人などとの交流があった。またヨルダンの地ではジャーナリストと してイラクルポも書き上げた。旅とともに定年前にあったプレッシャー、義務感、名刺を持たない不安といっ た"もやもや感"が払拭されていったという。

「日常から完全に離れたことで客観的に自分を見つめることができた。何がしたいのか、これからどう生きるの か考える時間がとれ、定年後のことに新鮮な気持ちで取り組めるようになった。これが一人旅の一番の効用です。 海外がダメなら宗教心は別にして、お遍路でもいい。とにかく再スタートを機に自分を見つめる時間を持つこと が大切ですね」。

 今後はぜひアフリカ縦断の旅に挑戦したいという。エイズと貧困と自然破壊など、現代社会の難問を抱える大 陸を生の目で観察したいという。今後の森さんの動向に注目したい。

http://www.dankai-tabi.com/ 

森さんのホームページは、 
http://www.dankai-tabi.com/

(文・週刊もしもししんぶん)