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TAMA団塊100

子育て中のお母さんを地域の専門家が支援

「まちかど保健室」発起人/事務局長 喜田貞さん(65歳・西東京市)


全国からの「我が地でも開設したい」と問い合わせがあるという。
元小学校の養護教論。37年間おもに保健室にあって身体不調の子供だけでなく、心に悩みや問題を抱えているさまざまな子供たちの心のケアに努めてきた。時には親をも巻き込み、保健室を飛び出し、あらゆる工夫をして奔走してきた。退職前にはそんな経験をあちこちの小学校で講演。そして退職を機に今度は、乳幼児から思春期までの子供を持つ親を対象に、子育て支援しようと平成17年9月にボランティアサークル「まちかど保健室」を立ち上げた。

核家族化が進み、地域コミュニケーションが気薄化していくなかで、孤立化して子育てに悩む母親たちに、かつて小学校の保健室のような「SOSを受け止めてくれる駆け込みの場、ほっとひと息つける心の和みの場を用意してあげたいとの思い」からだった。

どんな悩みにも電話で気軽に相談にのる。ゆっくり話を聞くと「多くの母親は安心と自信を取り戻して笑顔が戻る」という。そして内容や必要に応じて地元の小学校の元養護教論、教師、医師、薬剤師、保育士、助産師、看護師、保健師、栄養士、理学博士などさまざまな専門家を紹介する。専門家は喜田さんの志に応えて集まった33人のボランティア会員たち。約1/3は現役の方々だ。

また、相談以外にも「生活リズムの話」「「赤ちゃんマッサージ」といった学習会、「食べることの大切さ」「中学生の心」といった講演会、さらに地域イベントへの講師派遣なども活発に展開。最近では、「祖父母の孫育て講座」や「年をとってからの食生活講座」など、要請に応じてその内容や対象も大きく広がりつつあるという。

病院や相談施設に行くほどでもない。でもちょっとだけ聞いてほしい――そんなレベルの相談に気軽にボランティアという立場でのってくれる専門家の存在がどんなに心強いことか。すでに地域で大きな役割を担いつつある。ただし悩みもある。それはその多くが手弁当に近いこと。そして「活動の場を各地域に」との思いから公民館としているため、趣味系のサークルなどと場所の取り合いになることなどだ。果たしている役割やその意義を考えれば、早急な行政的支援や市民の理解・応援などが望まれる。   

「ようこそ! まちかど保健室」のHPは、  http://members2.jcom.home.ne.jp/machikado-hoken/

(文・ほのぼのマイタウン)