ほのぼのマイタウン 街・家族の活性化を支援します 小平市・東久留米市・清瀬市・東村山市・西東京市を結ぶ手作り情報マガジン


多摩をつなぐ


 千年に一度と言われる未曾有の東日本大震災。被害の甚大さが広範囲にわたり、原 発問題を含め未だに復興の道筋は不確か。そして決して他人事ではない。一方、心温 まる支援活動や現地の人たちの節度ある行動、ひたむきさは、世界的に注目され、 我々日本人が誇れるものともいえる。
 新年度「東京TAMAタウン誌会」では、多摩地域の支援活動や防災活動に目を向 け、紹介する中に地域の絆や防災へのキーワードを見つけ出してみたい。



「自然・環境教育で地域活性化」
「NPO法人 自然環境アカデミー」(福生市)
 NPO法人自然環境アカデミー(島田高廣代表)は、2001年11月に設立された福生市を拠点に活動する特定非営利活動法人だ。その目的は、環境教育の普及活動、自然環境のしくみや動植物に関する調査研究を行い、未来を指向しながら地域社会に貢献すること。
 「環境教育」は、身近な自然への関心を高め、人材を育てていく姿勢となり、地元水辺の楽校活動、小学校の総合的学習の支援などに取り入れられている。また「調査研究」の活動は、自然環境を大切に考えたまちづくりや野生生物の保護も行っていく活動で地域を超えた活動に広がっている。
 「2003年くらいから他団体と活動したり、都や国レベルの活動と交流ができるようになりました」と、ここ数年の活動を野村亮事務局長は振り返る。数年前からは野鳥に関する全国のシンポジウムにも参加し同団体の地道な活動が評価を受けた。
 日の出町にある「屋外フライングケージ」は、縦6b×横4b×高さ2bの大型の鳥小屋で同団体が考案した物(写真)。傷病鳥を自然界に返す前のリハビリ空間だ。警察による違法飼育の摘発などで保護された野鳥は、時に傷ついていたり、違法で飼育されていたりする。摘発後引き取り手は、なかなかおらず動物病院でも手に余る。
 同団体の活動は、自然界にいきなり傷病鳥を戻すのではなく、このケージで機能回復させようとするもの。まだ少ないが約半数が自然界に戻れるようになるという。全国シンポジウムで、この取り組みが評価を受け、少しずつケージは広まった。
 この夏昭島市で行われたホテル周辺の自然観察会は、今まで考えてもみなかった活動だと野村さん。傷病鳥の勉強会を羽村市動物園で行ったのが縁で当時の園長赤尾壽允さんがホテル側と引き合わせた。多摩の自然豊かなホテルの裏庭に入って夏休みに約40人が草花、野鳥、昆虫の観察をする新事業となった(写真)。
 現在会員は支援団体も含めて約180。観察会や傷病鳥の世話などは30歳から60歳代の熱心なボランティアがおり、40人前後で切り盛りしている。
 今後の課題は、人的、資金的に会をいかに安定させ、継続させていくことだと野村さんはいう。子供向けの観察会は確かに未来の人材を育てる種まきになるが資金的には限りがある。一方で、死んでしまった野鳥のはく製や標本を会の資金や福生市の助成金を利用して作り公民館で展示した。その後、はく製を利用して「出前博物館事業」が2年前からスタートした。
 野鳥が死んでしまった理由や密猟の実態についてリアルにはく製が語る団体のオリジナル事業となっている。得た資金は新たな活動源になったが、今だに事務局維持費や人件費は捻出が悩みの種だという。
 「自然や環境に興味がある人なら、専門家でなくても、きっとあなたの力が生かせるはず。一緒に手伝って下さい」と野村さんは、出会いと活動の広がりに期待する。

 問合せ先:事務局野村さん(090-5211-3520)
  ホームページ:http://www.h7.dion.ne.jp/~academy/

春から夏は多い時で200羽のリハビリを行うことあるというリハビリ・ケージ

観察会では、ホテルの庭といえども自然が豊かであることを再発見


 (取材:叶シ多摩新聞社) 

自然・環境団体活動情報

○「森林(もり)を楽しむ会」(小平市)
代表者:足本裕子さん
本格的な林業体験、公園整備協力、里山の手入れなど。
tel.042-344-5270(副会長:西澤さん)
http://www15.plala.or.jp/forest-fans/
○「清瀬の自然を守る会」(清瀬市)
雑木林の管理作業、自然観察会、環境教育など。
042-492-7775(福島良子さん)

○「武蔵野の森を育てる会」(武蔵野市)
代表者:田中雅文さん
武蔵野の雑木林や森を大切にし、自然の生態系をより豊かにしていくため、境山野緑地の保全と活用を行っている。
tel.090-5533-2316 fax.0422-54-8892 tanakabc@parkcity.ne.jp
http://mnomori.org/default.aspx
○NPO法人 集住グリーンネットワーク(立川市)
集合住宅を中心に、住民参加によるみどりの街づくりを支援。地域活性化、都市再生、高齢者の雇用機会の創出など社会貫献を目的に活動。  
mail cg-network@triton.ocn.ne.jp
http://www13.ocn.ne.jp/~cg-net/index.html

○西多摩自然フォーラム(青梅市)
代表:久保田 繁男さん
里山再生の活動を通じて、里山の自然の多様性を生かした地域社会のあり方を考える。
tel.0428-22-3874
http://ntforum.org/prosp.html