ほのぼのマイタウン 街・家族の活性化を支援します 小平市・東久留米市・清瀬市・東村山市・西東京市を結ぶ手作り情報マガジン


多摩をつなぐ


 千年に一度と言われる未曾有の東日本大震災。被害の甚大さが広範囲にわたり、原 発問題を含め未だに復興の道筋は不確か。そして決して他人事ではない。一方、心温 まる支援活動や現地の人たちの節度ある行動、ひたむきさは、世界的に注目され、 我々日本人が誇れるものともいえる。
 新年度「東京TAMAタウン誌会」では、多摩地域の支援活動や防災活動に目を向 け、紹介する中に地域の絆や防災へのキーワードを見つけ出してみたい。



「地域福祉活動」
NPO法人「くるみ」(八王子市)

後藤町子さん(代表・右)と水沢恭子さん(事務局長・左)
地域で安心して暮らせる「助け合いのしくみ作り」を推進


住み慣れた町で、老いても、ハンディをもっても、病気になっても自分らしく暮らし続けたい。そんな願いを叶えることを目的に設立されたNPO法人「くるみ」。
もともとは、八王子市に生活クラブ生協の地域福祉活動の一環として「たすけあいワーカーズ・くるみ」を発足したことが始まりだった。自分たちも含めて誰もが安心して暮らせる町にしたいと、助け合いの「しくみ」を作ることにチャレンジした主婦たちの熱い思いが原点にある。今から15年前のことだった。
現在代表を務める後藤町子さんと事務局長の水沢恭子さんも、その中のひとりとして関わり続けてきた。
「生活の支援を必要とする人に対して、その方の自立を援助することが私たちの役割です」と、地域で暮らす市民の立場から、「ともに生きる」ことを目標に支えあう連携を作ることに努力してきた。当初の事業は産前産後の家事や保育の手伝い、高齢者の通院介助など。手と手を結ぶたすけあいの輪は地域の中で次第に広がっていった。
その後、利用者の様々なニーズに応えるため、新たな事業にも積極的に取り組み、着実な成果を生んできた。例えば、通院などに車での送迎が必要なときに提供する移動サービス『おでかけサービスとことこ』。3年前から国交省認可の福祉有償運送として営業、ケア付き移動サービスや、車椅子対応の車両も提供できるまでになった。
また、温かい昼食のお食事会『くるみサロン』も開始。店まで足を運ぶことができない人のためには、昼食と夕食に弁当の宅配サービスも始めた。しかも1食から温かいうちに配達し、安全な食材を使った家庭的な味付けが好評だ。高齢者や父子家庭、母親が病気の家庭など、1日に40食以上の注文に応えている。「配達しながら利用者の安否確認も行っている」など、ここにも地域で支えあう「しくみ」ができあがっている。
任意団体からスタートして地域の問題解決に向き合い、助け合うしくみ作りに奔走しながら6年を経た2000年1月、介護保険制度が導入されることをきっかけにNPO法人を取得。訪問介護事業『介護サービスくるみ』と通所介護事業『デイサービスくるみの家』を開設し、活動の場をさらに大きく広げた。
『くるみの家』は定員9名と小規模ながら、食事・送迎・入浴・マッサージ(週2回) ありと、手厚いデイサービスを提供。利用する人もサービスを提供する人もすべて地域の人々だ。「どんな状況になっても孤立することなく、みんなで助け合える地域社会作りを目指す」活動方針が実を結んできた。また、デイサービス休みの日を利用して『くるみの家』を地域に開放。絵手紙・陶芸などの教室やミニコンサート・うたごえ喫茶などを開催し、地域福祉の拠点として根付きつつあるという。
NPO法人『くるみの家』の運営はすべて会員の自主性に任されてきた。自分たちの手で、働く場と働き方を広げ、作り出していくことも助け合いのしくみ作りだからだ。
「15年間の実績をもとにさらに社会に目を開き、自分たちが暮らす地域でお互いの多様な価値観を認め合いながら、助け合える新しい人間関係を築いていきたい。そして良質なサービスを継続的に、そして安定的に提供するため、自らの手で地域社会に働く場を作り上げたい」そんな同会の設立趣旨のもと、着実な活動が続く。
今後の課題は「世代交代」だという。地域で助け合うしくみ作りに「若い力」の参加を促す研修生を受け入れている。(取材:週刊もしもししんぶん)
NPO法人「くるみ」
代表:後藤町子さん
所在地:東京都八王子市大塚529
連絡先:042-675-7410
ホームページ:http://www4.ocn.ne.jp/~kaigo963
 

(取材:ほのぼのマイタウン)

地域福祉活動関連団体情報

● NPO法人「ハンディサポートこがねい」(小金井市)
代表:川合 彰さん
高齢者・障害をもち歩行困難な方々の通院、通所や生きがい活動への移送サービスを主とした福祉活動を行っている。
連絡先:042-387-2285
http://www5f.biglobe.ne.jp/~handy/
● NPO法人「地域寄り合い所 また明日」
代表:森田真希・森田和道
地域の誰もが気軽に立ち寄ることができ、自由に交流する機会を提供。「また明日をがんばろう」と思える地域社会づくりを推進している。
連絡先:042-386-8280
http://www7b.biglobe.ne.jp/~mata-asita/

● NPO法人「アビリティクラブ たすけあい くにたちすてっき」
代表:島崎エミ子
自立援助、訪問介護、ひとり親家庭ホームヘルプ、高齢者生活支援ヘルパー派遣などの地域福祉に貢献。
連絡先:042-576-3206
http://kunitachisutekki.web.fc2.com/
● NPO法人「支え合う会みのり」
代表:中村久美子
見守りと手渡しが基本の毎日配食サービスと会食交流会が主な活動。フリースペース「たまりば」には0歳から90代の方が参加している。
連絡先:042-378-8757