ほのぼのマイタウン 街・家族の活性化を支援します 小平市・東久留米市・清瀬市・東村山市・西東京市を結ぶ手作り情報マガジン


TAMA団塊100

人と人、心と心をつなぐお手伝いを

シニア情報生活アドバイザー  吉野吾郎さん(67歳)

日野市で、暮らしに役立つパソコン講座や高齢者向け携帯電話講習をはじめ、食と衣の異文化交流会、手話で唄う歌声喫茶など、多岐にわたる参加型イベントの仕掛けに関わり、実行部隊も務めている吉野さん。

「一人でできることはちっぽけだけど、仲間と一緒にやれば、中身もどんどん広がる。自分たちの思いが実現したときの達成感は最高ですよ(笑)」

かつては、仕事一本やりの企業戦士。転機は義母が認知症になったときだった。「5年ほど家族ぐるみで支えたのですが、自分も家庭や地域があってこその存在だと気づかされたんです。でも、その地域社会で、自分は何もやってこなかった…」。

たまたま新聞で「生涯現役をすすめる会を日野市にも」との呼びかけを目にし、銀座にあった実践道場に足を運ぶ。「何かやりたい、社会参加したいという人たちの熱い集まりでした。職業も性別も年齢も違うけど、みんな“個人”を生きていましたね」。

人生観がガラリと変わったという。以来、自分の生き甲斐は何だろうとアンテナを張り、さまざまな市民活動に関わるなかで、人と人をつなぐ活動に喜びを感じる自分に気づいていった吉野さん。59歳でレクリエーション・インストラクター、60歳でシニア情報生活アドバイザーの資格を取ったのも、人の役に立ちたいという思いからだ。

「知的障がい者にパソコンで名刺を作るお手伝いをしたことがあったんですが、可愛い花模様入りの名刺ができたとき、その女性が純真に喜びを表現してくれた。逆にこちらが幸せな気持ちになりました」

人にとっていちばん大切なのは、心のつながり。互いに信頼しあい尊敬しあえる仲間をつくり、パートナーシップで横につながる輪を広げていきたいと話す。「みなさんもぜひ、退職前から市民活動に参加して、居心地のいい居場所を確保してください。それが豊かな人生への鍵ですよ」と笑った。「多摩IT普及会」を主宰する傍ら、日野市27市民団体をつなぐ「ひの市民活動団体連絡会」副会長・運営部会長を兼任。幅広い人脈をいかし、企業や行政と市民活動を結ぶ架け橋役でも東奔西走する毎日だ。

(文・多摩新聞社)