ほのぼのマイタウン 街・家族の活性化を支援します 小平市・東久留米市・清瀬市・東村山市・西東京市を結ぶ手作り情報マガジン


多摩をつなぐ


 千年に一度と言われる未曾有の東日本大震災。被害の甚大さが広範囲にわたり、原 発問題を含め未だに復興の道筋は不確か。そして決して他人事ではない。一方、心温 まる支援活動や現地の人たちの節度ある行動、ひたむきさは、世界的に注目され、 我々日本人が誇れるものともいえる。
 新年度「東京TAMAタウン誌会」では、多摩地域の支援活動や防災活動に目を向 け、紹介する中に地域の絆や防災へのキーワードを見つけ出してみたい。



多摩交流センター・東京TAMAタウン誌会共同企画記事


地域の安全を守る消防団(府中市)
市民に好評―「家具転倒防止器具」の支給(東京都26市)

 地域に密着し、消防・防災など地域の安全を守るため、大きな役割を果たしているのが、地元の消防団だ。各自が自分の仕事を持ちながら、消防団の活動を行う団員は非常勤の特別職地方公務員で、火災や災害発生時にいつでも出動できるよう、日夜厳しい訓練を重ねている。

東京都消防操法審査会にて

 府中市消防団(横田実団長)は、団員数420名。定員に満たない消防団もある中で、例年、定員数を確保している。本部と18の分団があり、各分団には、消防ポンプ車1台と可搬式ポンプ(持ち運びができる)が配備されている(東西の分団に、照明電源車が各1台)。各分団に警戒区域があり、火災が発生した場合は、放水などにより火や煙をとめる延焼防止が第一の役目だ。ヘルメット・消火服・ブーツなど着用すると、総計約17kgの装備となるそうだ。また、現場の状況をすばやく把握し、逃げ遅れの人がいないかなど地元ならではの情報を伝える仕事もある。
 第14分団長の中込晋さん〈44歳、造園業、団歴22年〉は、次のように語る。
「メンバーは、皆、使命感を持ち、郷土を愛する気持ちが強いです。普段から、お年寄りの住んでいる所や、木造の燃えやすい家とかチェックし、地域とのコミュニケーションを大切にすることが、防災につながります」。

府中市消防団による放水風景

 防災活動としては、消火栓や消火器ボックスの点検(月3回)、自然水利(田んぼ・用水路など)の点検(隔月)があり、特に、3月の東日本大震災の後は、計画停電に ついてのお知らせも含め、広報活動が強化された。
 第14分団(団員25名)は、昨年、東京消防庁で行われた「東京都消防操法審査 会」のポンプ車操法の部で、3位入賞という輝かしい実績を持っている。副分団長の松本幸次さん(45歳、畳店経営、団歴20年)の話では、「学校が避難所となるケースも多いので、今後は中学生を防災活動の戦力として育てていこうとしている」とのこと。
 現に、本年10月8日(土)、府中10中において、在校生全員(約270名)を対象に、府中市および消防署や消防団の協力のもと「地域防災スクール」が開催された。ボードを組み立てて避難所のパーテーション(仕切り)を設営したり、ブロック塀などの下敷きになった人形を使っての救助・救出訓練も行われ、お互いに力を合わせて助け合う方法を学ぶ、新しい試みが実施された。
家具転倒防止器具の支給

   平成21年度から23年度までの3年間、多摩地区26市において、「家具転倒防止器具助成事業」が実施された。地震の際、家具類の転倒・落下による事故が多いため、東京都市長会からの助成金を財源として、家具転倒防止器具が希望する世帯に支給された(抽選または先着順)。23年度においては、東日本大震災後ということもあって、多くの市で応募が急増した(例えば、立川市での支給世帯数は、21年度が2151、22年度が1906、23年度が5215)。配布された器具の中で一番の人気は、天井と家具の間に使用する2本組のつっかい棒(2色・2サイズ)だった。                         

(取材:ふちゅうファミリープラザ)