ほのぼのマイタウン 街・家族の活性化を支援します 小平市・東久留米市・清瀬市・東村山市・西東京市を結ぶ手作り情報マガジン


多摩をつなぐ


 千年に一度と言われる未曾有の東日本大震災。被害の甚大さが広範囲にわたり、原 発問題を含め未だに復興の道筋は不確か。そして決して他人事ではない。一方、心温 まる支援活動や現地の人たちの節度ある行動、ひたむきさは、世界的に注目され、 我々日本人が誇れるものともいえる。
 新年度「東京TAMAタウン誌会」では、多摩地域の支援活動や防災活動に目を向 け、紹介する中に地域の絆や防災へのキーワードを見つけ出してみたい。



多摩交流センター・東京TAMAタウン誌会共同企画記事


継続する被災地ボランティア
災害ボランティアネットワーク「チーム小平」

公募により年間を通して石巻へボランティアワーク、 被災地支援は小平の人々をつなぐ。


8月アパートのがれき撤去作業

 東日本大震災から1年余り、「チーム小平」(藤原哲重代表)は昨年4月から今年2月にかけて13回、石巻市を中心にボランティアワークに入った。参加人数は延べ210名。公募により小平市民に限らず、近隣市を初めとする多摩地域、首都圏、遠くは神戸、滋賀など市外の参加者が全体の約40%に上る。
 チーム小平発足のきっかけとなったのは「戦後最大の震災、行かなければ後悔する。何かできることはないか」と模索していた、市内60代男性を中心とした有志が、混乱していた現地のボランティアセンターから石巻で受け入れ可能との情報を得、「チーム小平」と命名して昨年4月半ばに仙台市若林区と石巻市に工具や重機、寝袋、食糧持参で入った。
 実際に目の当たりにした被災地は360度視界すべてが瓦礫の山。その臭いとともに想像を絶する惨状だった。以来石巻市で5度にわたり、被災家屋の床板外し、泥出作業、がれきの片付けなどを実施した結果、継続支援が必要だと痛感した。現地NPOとのつながりもでき、6月には小平市社会福祉協議会、後に小平市の後援も得られた。
 第6回から参加者を公募し、貸切バスによる2泊3日のワークとなった。大学生から70代の女性まで33名が参加。交通費、食事代などの参加費用は1万円(学生は6千円)。この時は2班に分かれて石巻市の橋浦駐在所の除草、大街道小学校など2カ所の避難所へ千人分のコーヒーサービス、仮設住宅用の食器を提供した。9月には明治41年創業の味噌・醤油製造業「山形屋」支援へ学生18名を含む、43名が参加。手つかず状態だった蔵の中を丸1日で片付け、同社取締役に「人力では不可能と思っていた片付けが、統制がとれたチーム小平のみなさんのお陰でできました」と大いに感謝された。現地NPOと調整しながら、必要に応じたワークを毎月実施。仮設住宅での小平糧うどん打ち、被災した人々の話を聴く傾聴活動。要請に応じて真冬の名取市と陸前高田市で、泥かきやがれき撤去作業も続けた。

10月小平市民まつりに出店

 地元小平でも積極的に活動報告の場をつくり、他の市民団体とのつながりもできた。昨秋には市民まつりなどのイベントに出店し、石巻焼きそばや山形屋の味噌、醤油を販売。売上金のほとんどは被災した企業やNPOへ寄付。こうしてチーム小平の活動の輪が全市に広がっていった。中でも12月訪問の際、帰りのバスの中で参加の男性が「仮設住宅では結露がひどくそれを拭くタオルがほしいそうだ」と話したことから、その場でタオル寄付を呼びかけた。ブログやツイッターでまたたくまに人から人へ広がり、タオル集めの協力者続出。その反響の大きさにはメンバーもびっくり。ボランティアセンター、小平市民活動支援センターあすぴあなども回収箱設置に協力してくれ、当初200枚集める予定が、1週間で市民から1400枚、企業・団体の協力もあって合計2900枚集まり、3回に分けて石巻市5カ所の仮設住宅に届けた。
一方、今年5月3日〜6日の連休にはチーム小平他市内8つの団体と市民が一体となって福島の子どもたち38名を小平に招いた。思いっきり外で遊んでもらおうと、200名以上のボランティアが関わり、幼稚園での合同宿泊や市民の協力でホームステイを実施。小平市中央公園の雑木林いっぱいに滑車ロープ、ブランコなどが手作りされ、夜には幻燈会と盛り沢山のプログラム。小平の親子も約600名が参加し交流を深め、地域に新たな連係が生まれた。
「支援はその時、その場所によってニーズが異なるので難しい。おしきせのボランティアにならないよう模索しながら活動していますが、今は被災者が自立する時期なので、それをサポートしたい」と副代表の細江さん。被災地の痛みを見続けて忘れないことが支援活動を続ける力になる。支援活動を通して自分たちの住む地域づくりに還元したい、というチーム小平の今後の活動が期待される。

チーム小平 E-mail:team_kodaira_akapost@yahoo.co.jp                        

(取材・ほのぼのマイタウン)