「パソコンで仲間づくり」
小平シニアネットクラブ（小平市）

　小平シニアネットクラブ（KSNC）は「パソコン、インターネットを通して皆で楽しみながら、経験や知識を地域社会に貢献し、生きがいや仲間づくりを目指す」会として、2001年設立された。会員は50代から80代まで、男女約半数ずつ。小平市外の会員も含め、現在240名余りに上る。
シニアが21世紀のインターネット社会に取り残されないようにというミッションのもとに、すべて自前主義のボランティアであることが会の根幹をなす。年会費は３千円。運営はこの会費のみですべてをまかなっている。会員のパソコンのスキルは、全くの初心者から上級者までさまざまだから、知っていること、知りたいことを自主的に教え、教えられる相互学習が基本。市内の地域センターなどを使って、月２回７ヶ所で開く勉強会に、会員は自宅近くの会場を選びノートパソコンを持参して参加している。
「最初の頃はまだ、ノートパソコンが普及していませんでしたので、２人くらいが持参したパソコンの周りを皆で囲み、あ〜でもない、こ〜でもないと顔を付き合わせていましたよ」と話すのは会長の佐藤英樹さん。
勉強会に加えてデジカメやパソコン美術部、外遊会やゴルフなどの趣味の同好会、「小平の見所を歩く会」などのミニサークルも加えると21もの活動サークルがある。パソコンを自分に合った習得方法で学び、趣味も楽しみながら仲間づくりができる。シニアパワー全開、IT社会ならではの生涯学習団体だ。
連絡はすべてグループメールで全員に配信される。勉強会や同好会の日時のお知らせ、また内容の結果報告がその日のうちに世話人から送信されるので、欠席したとしても様子がわかるシステム。毎日のように届くメール、この風通しのよさが会の発展を支えてきたのだろう。
１年おきに開催される「パソコンでこんなこと出来るん展」はこれらの勉強会、同好会の発表の場。チラシやハガキ、Tシャツプリント、デジカメ写真、ビデオやMy bookなど、タイトル通り、「へぇーパソコンでこんなことができるの？」と驚くほどの力作揃い。今年２月の展覧会には５日間の会期中、延べ９５２名の来場者があった。これを見て入会を希望する人も後を立たない。
楽しむだけではなく、小学校のパソコン授業へのサポートチーム、デイサービスへのボランティアチームなど地道な地域貢献も長年続いている。今年になってできたミニサークル「小平アーカイブスの会」では図書館ボランティアとして、玉川上水などの資料のデジタル化作業や市史編纂にも協力している。
「親睦を重視すると会の活力が薄れます。ミッションを達成するために、会を持続していくためにこれからどうすべきかが、課題です。シニアのパソコン学習は仲間があるからこそ続く。会の財産は240余名の豊かな経験と見識。これらの見識をうまく融合させて、駅伝ランナーのように先の人たちにタスキを渡していきたい」と佐藤会長。
役員以外の会員で「明日のKSNCを考える会」をつくり、「10年目の設計図」に向けて取り組み中。地域をパソコンでつなぐKSNCの今後に大いに期待したい。

小平シニアネットクラブ
■問合せ先　042-309-8882（小平市美園町１−１−10　KSNCプラザ）
　 ホームページ：http://www.ksnc.jp/

○NPO法人do be くらぶ（調布市)
代表：龍野哲男さん
ウィンドウズの「ペイント」を使った、こども向け、大人向けの教室、シニア対象のインストラクター養成講座もある。
Tel　042-488-5005
http://www.dobeclub.com/

○NPO法人 シニアネットクラブ（日野市）
代表：二羽英明さん
八王子市・日野市・多摩市の３教室で、シニア世代のスタッフがシニアのパソコン学習をサポート。交流の場になっている。
Tel　042-581-2782
http://snc.npgo.jp/

○NPO法人　シニアSOHO小金井（小金井市
代表：大橋元明さん
少人数のクラス講座、レベルに合わせた個人講座等、多彩な講座を実施。他にもさまざまな事業で地域貢献している。
http://sohokoganei.org/

○NPO法人 シニアSOHO普及サロン・三鷹（三鷹市）
一般市民を対象に「ひと味ちがうパソコン教室」を実施。初心者から講師養成講座まで。市との協働で多くの事業を展開している。
Tel　0422-40-2663
http://www.svsoho.gr.jp/